すべては視聴率アップや昇進のため?
テロリストからの電話オールライブの舞台裏

テロリストからの電話オールライブの舞台裏

©2013 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
監督・脚本: キム・ビョンウ
配給: ミッドシップ/ツイン
配給: ミッドシップ/ツイン
封切: 8月30日、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開
公式サイト: terror-live.com
ストーリー●
国民的アナウンサーとして人気の高かったヨンファ(ハ・ジョンウ)は、
不祥事からニュースキャスターを降板、
系列のラジオ局に更迭されていた。
朝の生放送情報番組を担当しているものの、
気は乗らず、話し方も投げやりに。
そこにリスナーから1本の電話が。
ヨンファを指名して「大統領を呼べ、呼ばないと橋を爆破する」と脅迫する。
いたずらかと一笑に付した爆破予告が数十秒後に現実とになったとき、
ヨンファは「しめた!」とこぶしを握った。
「テロリストとの電話をテレビで独占生中継だ!
番組の視聴率はうなぎのぼり。
テレビ局に恩を売って、 俺はキャスターに返り咲く。
そしてテロリストを説得、事件を終わらせ、
俺は政府からも感謝される!」
独占放送を手柄にしたいチャ報道局長(イ・ギョンヨン)の協力で、
ヨンファのもくろみ通り、
ラジオブースにはテレビカメラが運び込まれ、
政府からネゴシエーター(チョン・ヘジン)が派遣される。
電話口のテロリストは、執拗にヨンファに要求を迫る。
政府もまた、ヨンファに細かく指示をしてくる。
ヨンファは両者に冷静さを求めるが、
テロリストは要求をじらされ激昂、
「筋書」はもろくも崩れ、
ついに漢江にかかる橋の中央で
2度目の爆破が起こってしまう。
そこにはレポーターとして
ヨンファの妻も駆けつけていた。
解説と見どころ●
生ぬるい空気の中、いつもと同じように始まる放送。
ところが一転して緊迫した空気に!
そこから始まる2時間の「テロ事件」の顛末を、
私たち観客も、まるで本当に「生中継」を見るように、
リアルタイムの2時間で経験する。
不祥事からニュースキャスターを降板、
系列のラジオ局に更迭されていた。
朝の生放送情報番組を担当しているものの、
気は乗らず、話し方も投げやりに。
そこにリスナーから1本の電話が。
ヨンファを指名して「大統領を呼べ、呼ばないと橋を爆破する」と脅迫する。
いたずらかと一笑に付した爆破予告が数十秒後に現実とになったとき、
ヨンファは「しめた!」とこぶしを握った。
「テロリストとの電話をテレビで独占生中継だ!
番組の視聴率はうなぎのぼり。
テレビ局に恩を売って、 俺はキャスターに返り咲く。
そしてテロリストを説得、事件を終わらせ、
俺は政府からも感謝される!」
独占放送を手柄にしたいチャ報道局長(イ・ギョンヨン)の協力で、
ヨンファのもくろみ通り、
ラジオブースにはテレビカメラが運び込まれ、
政府からネゴシエーター(チョン・ヘジン)が派遣される。
電話口のテロリストは、執拗にヨンファに要求を迫る。
政府もまた、ヨンファに細かく指示をしてくる。
ヨンファは両者に冷静さを求めるが、
テロリストは要求をじらされ激昂、
「筋書」はもろくも崩れ、
ついに漢江にかかる橋の中央で
2度目の爆破が起こってしまう。
そこにはレポーターとして
ヨンファの妻も駆けつけていた。
解説と見どころ●
生ぬるい空気の中、いつもと同じように始まる放送。
ところが一転して緊迫した空気に!
そこから始まる2時間の「テロ事件」の顛末を、
私たち観客も、まるで本当に「生中継」を見るように、
リアルタイムの2時間で経験する。
スピード&スリル満点な中に描かれるのは
「テロ」を生む背景だ。国家やマスメディアなど、権力側の傲慢や、
無視され、虐げられ、叫び、抗う民衆の怒りがストレートに噴出、
思わずテロリストに感情移入してしまう。
ただ
この作品が善か悪かの単純な二者択一に終わらないのは、
ヨンファという一人の人間をフィルターとしているからだろう。
「国民的アナウンサー」という地位を得たヨンファが
得たものは人気と財力。
ではその代償として、
彼に求められていたものは何だったのか?
そのことに、最後に気づくヨンファの心の中に
この映画の核心がある。
「ありのままに」生き、
「現実」や「欲望」を肯定することが主流となりつつある現代。
そんな時代に「使命」を得て、
「理想」の世の中をつくることの難しさと大切さを
考えさせる問題作だ。
ラジオの放送室という閉鎖された空間でのやりとりが主だが、
同時に「テレビ中継」というシチュエーションで映像をうまく使っており、
映像によって取り込まれたブースの外の世界が
空間に広がりを与えている。
無視され、虐げられ、叫び、抗う民衆の怒りがストレートに噴出、
思わずテロリストに感情移入してしまう。
ただ
この作品が善か悪かの単純な二者択一に終わらないのは、
ヨンファという一人の人間をフィルターとしているからだろう。
「国民的アナウンサー」という地位を得たヨンファが
得たものは人気と財力。
ではその代償として、
彼に求められていたものは何だったのか?
そのことに、最後に気づくヨンファの心の中に
この映画の核心がある。
「ありのままに」生き、
「現実」や「欲望」を肯定することが主流となりつつある現代。
そんな時代に「使命」を得て、
「理想」の世の中をつくることの難しさと大切さを
考えさせる問題作だ。
ラジオの放送室という閉鎖された空間でのやりとりが主だが、
同時に「テレビ中継」というシチュエーションで映像をうまく使っており、
映像によって取り込まれたブースの外の世界が
空間に広がりを与えている。