ザ・ビーチボーイズの真実~
心を病んだ天才ミュージシャンの20年後

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Ⓒ2015 Malibu Road, LLC. All rights reserved.

監督ビル・ポーラッド
配給:KADOKAWA
封切 :8月1日(土)より角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー


ストーリー●
1960年代、
「サーフィンUSA」などのヒット曲で一世を風靡したザ・ビーチ・ボーイズ。
その中心的存在ブライアン・ウィルソン(ポール・ダノ)は、
天才的な作曲能力を持っていたが人見知りで、
コンサートツアーよりスタジオでの曲作りが好き。
没頭して斬新すぎる楽曲を連発するうち、やがて神経を病むようになる。
20年後、
中年男になったブライアン(ジョン・キューザック)は
精神科医ユージン(ポール・ジアマッティ)の監視下で生活していた。
ブライアンと交際し始めたメリンダ(エリサベス・バンクス)は、
彼に家族との面会までも禁じるユージンの
強過ぎる支配に疑問を持つ。

みどころ●
有名ミュージシャンの成功物語、あるいは
栄光から転落していくさまをつづった映画は多い。
今回も、前半は若大将の波乗り気分でヒットソングの連続が気分を高揚させる。
しかし、ブライアンが音楽と真っ向勝負するあたりから、
話は逆に「音楽」という特殊性を離れ、
ナイーブな若者であれば誰にでも起こりうる心の闇に分け入ることとなる。
たまたま主人公が有名ミュージシャンなだけで、
これは医師の横暴と策略により自分らしく生きる権利をはく奪され、
食い物にされた精神患者の苦悩と再生をテーマにした物語なのだ。
 
ユージンに扮したポール・ジアマッティが
怪僧ラスプーチンのような眼力でブライアンを洗脳、
精神患者の後見制度が持つ問題を浮き彫りにしている。
過去と現在の描写切り替えは、
才能のおもむくまま生きた若き日と、
ユージンの一言一句におびえる中年以降とを分け、
ブライアンを二人の俳優で演じる方式が成功している。

ラスト、
ブライアン・ジョーンズ本人の現在の姿が映し出されるのが、
救いであり、最高のハッピーエンドだ。

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